今回は最近読んだ本の紹介をしたいと思います。つたない文章力だけどがんばって書きます。今回読んだ本はこれ。
あらすじ
教室内ヒエラルキー上位の「リア充」 女子グループに属する小林アン。中学二年生の四月、突然友人たちから無視されるが、同級生の「昆虫系」(=イケてないキャラモノ男子)、徳川勝利の言葉をきっかけに仲直りする。しかし、家や教室に絶望感を抱くアンは、自分と共通する美意識(センス)を感じる徳川に「私を殺して」と衝撃的に依頼する。ふたりが作る事件の結末とは?
この本は、本屋でパラっと立ち読みした時に衝動買いしました。僕は基本的にさっくりと読みやすい本しか読めないので、この本も立ち読みした時に読みやすさに惹かれたのです。読むのに2,3日あれば十分です。
中学生時代おそらくほとんどの人が感じていたと思うんですけど、クラス内に階層構造(ヒエラルキー)ってありましたよね?クラス内で誰が上位に位置して誰が下位に位置しているのか。自然とそうゆう共通概念みたいなものがクラス内に出来上がっていました。、この物語は、その階層構造の中で悩みを抱えて生きる中二病(厨二病?)女子の話です。
恥ずかしながら僕も中学生の時は中二病を患っていたので、 主人公のアンには感情移入しやすかったですね。アンほど重症ではありませんでしたが笑 すごいと思ったのは、作者である辻村さんが中二病を抱えている人の感情をズバリ的確に表現しているところです。自分は他人より良くできていると思いこむところや、人を心の中で見下してしまうところとか、その表現の仕方に全くブレがありません。特にアンが抱えている秘密が親バレしたときに抱く感情表現なんかまさに秀逸。強く共感できましたね。
あらすじからだと少しミステリー要素も含むのかなと思ったんですけど、読み終わってみるとそうでもないです。ただ、途中読み進めていくと、「続きを読むのが怖い、読むの止めようかな」と思ったところもあります。それが逆に面白さにつながって夢中に読みふけってしまいました。普通他人に自分を殺してくれなんて言えませんけど、物語の軸となるアンと徳川の間では、それが何か当たり前のような位置づけになっていて、二人の会話が中学生にしては怖いところがありました。
一方で、期待していたところをあっさりと書かれていて少し肩すかしをくらった部分もあったので、読み終わった時には少し物足りなさを感じた部分もありましたね。あと、主人公であるアンが中学生であるために、最後の結末部分はかなりざっくりと書かれていて少し不自然さを感じました。ただ、それも最後の一行のためだと思えば納得できます。ああ、読んで良かったなって思えます。
ちなみに登場人物の中で、僕が一番嫌いなのは津島っていうリア充男子です。もう少し自分の彼女の人間関係も考えろと。女見る目ないなと。おまえの行動で苦しんでる奴がいるんだよと。そんなことを思いました。こんな男にはなりたくない笑
本の内容とは直接関係ありませんが、やっぱり物書きの人ってすごいですね。ごくごく自然な文章の中にちゃんと伏線がちりばめられてる。それに気付けない自分が悔しいですね。単に僕の読解力が低いというのもありますけど。辻村深月さんが書いた他の本も読んでみたくなりました。今度調べて読んでみようかな。
この本を読むと自分の中学生時代を振り返ったりして懐かしい気持にもなったりするんで、そういう気持ちを得たい人にはオススメです。とても面白くて衝動買いしてよかったですね。 ぜひ皆さんも読んでみたください!!
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