2012-04-07

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久しぶりの更新となってしまいました。が、変わらずに元気なyasuhiraです。


読書の春!?ということで、今回は辻村深月さんが書いた「ツナグ」という本について紹介したいと思います。

ツナグ
ツナグ
posted with amazlet at 12.04.06
辻村 深月
新潮社
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あらすじ
突然死したアイドルに。癌で逝った母に。喧嘩したまま亡くなった親友に。失踪した婚約者に。死者との再会を望むなんて、生者の傲慢かもしれない。間違いかもしれない。でも―喪ったものを取り戻し、生きるために会いにいく。―4つの再会が繋いだ、ある真実。新たな一歩を踏み出す連作長編小説。


以前、オーダーメイド殺人クラブという本を読んだことがきっかけで、辻村深月さんの小説にはまっていた私。この「ツナグ」はまだ読んでいなかったのですが、なんとこれが映画化されることをテレビで知り、速攻で次の日本屋に買いに行きました。


死んだ人との再会を望む人と、死者との仲介人をする使者(ツナグ)。その使者に仲介を依頼した、ある4人にまつわる話が最初展開されます。それぞれが様々な事情を抱え、死んだ人との再会を果たすのですが、どの話もどこか切なく、心に響くものがありました。


特に面白かったのは、事故で亡くなった親友との再会を果たそうとする嵐美砂という女の子の話。オーダーメイド殺人クラブでもそうでしたが、辻村深月さんは、若者の思春期特有の心情描写が本当にうまいなと思いました。他人に対する劣等感や葛藤、必ず誰しもが持っている人間の醜い本音。ここらへんの美砂の心情がエグいと思いました。


そして、親友と再会したときの衝撃の結末。読んだ後は、何か後味の悪さを感じさせるほどに、恐ろく怖いものがあります。死んだ人との再会は、自分にとっても死んだ人にとっても、生きている間に言えなかったことや、したかったことをやり直せるので、一見良いこと尽くしのようにも思えますが、この場合はそうではなく、だからこそおこった悲劇なのだと思います。


そして、最後に物語の中心である使者(ツナグ)にまつわる話が展開され、これまでの4つの話が1本につながるという構成になっています。ここでは他の4つの話に比べてミステリー要素も強くなっています。これまで、依頼人の視点で描かれていた話が使者の視点から描かれることで、謎が明らかになっていきます。


こういう、(実はあの時こいつはこう思っていたんだ)、というのがわかる話の展開の仕方はとても大好きです。もう一度、読み返したくなりますよね。また、死んだ人との再会を望むのは、生きている人のただのエゴではないか?という一つの問題提起も面白かったので、これから読む人はその辺も注目してみてもいいと思います。


以上感想を簡単に書きましたが、かなり伝わりにくかったと思います(~_~;) が、この本は絶対に面白いと思うのでぜひ読んでみてください。映画は10月6日公開予定です。


そんなOutput

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